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rena's room ☕ breaktime
第3章 Request2┈*★*┈片想いの行方
‟ 蓮が帰ってきた ” って
確か昨日葵が言ってたから、代休ってことで私服?
「目立ちますねぇ」
少し離れたこの位置からでも分かる、人を惹きつける容姿。
変わってないというか、数ヶ月前よりも魅力に溢れてるというか
私の目の前の相棒も然り
同じ空間に居るってことが、そもそも不思議なくらいだ。
「すごい偶然ですね。ここから手振って気付くかな…」
「 ‟ 偶然 ” 」
「……!」
「……またかよ」
そう呟くと、姫宮さんが柵から降りた。
はーっと大きく息を吐いて、視線を外す。
「もーいいわ、こーいうの」
「えっ?」
「なんでもない。俺は行くから帰っていいよ」
「へっ? あ、でも私も…」
「いい。また明日頼む」
「……!」
「お疲れ」
会話の間に既に歩き始めてしまった彼。
青信号で重なった人の波に押されて、一瞬で離されてしまった。
「……」
……私は、勘が冴える方ではないし
その場の空気を読みとることも下手だし
それでも
自分が経験した情景が……突如フラッシュバックしたということは
「……っ」
この予感も、無意識に逆側に向いた足も
きっと間違ってはいないと思った。