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rena's room ☕ breaktime
第3章 Request2┈*★*┈片想いの行方
狙われた矢が、モヤモヤの真ん中にグサッと刺さった。
命中させた本人が悪戯な目をして笑ってる。
「何年か前、ここから徒歩数分の国際フォーラムに
ヒカルとヒメを迎えに行った時を思い出すな」
「……!!」
「あ、やっぱり美和も思い浮かべた?
俺と美和のツーショットを見た衝撃で、顔面蒼白になったお姫様」
「~~~っ」
「ははっ、そうだなやめよう。
俺も思い出したくない」
口元を押さえて目を細めた蓮くん。
……あの時も、今も変わらない。
人を傷つけない言葉も、態度も
心の優しいこの人に、何度も救われている。
「……蓮くん、ありがとう。
今度は、またみんな揃った時に、ね」
ようやく、ホッとして笑えた気がする。
自然と上がった手を、途中で止めたけど
「……!」
迷うことなく、蓮くんが右手を重ねてくれた。
「帰ってから余計なこと言うなよ、美和」
「……!」
「昔から嘘が下手だし、変な方向に行きそうだから」
「~~だ、大丈夫だよ!」
「まぁ、本当に心配なのは」
離れた蓮くんが、小さく笑った。
「美和のことが大好きな、あいつの方だけどね」