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rena's room ☕ breaktime
第3章 Request2┈*★*┈片想いの行方
「ごめんね、葵」
しゅんと萎んだ体を、時計台の壁に預けて俯くと
なにひとつ消化出来ていないだろう葵が、隣りに並んだ。
「葵を追跡してたわけじゃないの。
神札を入れた前科はあるけど、さすがにGPSを仕込むなんてしないわ」
「勿論分かってるけど。 単純に心配ってだけ」
「……そうよね。
潜んでたり祈ってたり、挙動不審なのは自分でも重々…」
「いや、そうじゃない。最近仕事忙しいだろ」
「……!」
「気になってた。 無理してるんじゃねぇかって」
人々が行き交う、同じ方向を見つめたまま
組んでいる葵の左腕が、私の肩にコツンと触れた。
「俺は直接手伝えない。それでも
蘭に気付くくらいの余白は、常に持っていたいと思ってる」
「……っ」
「話したくなったらでいいし、愚痴でも何でもいいから
受け止める体があるってことだけ、覚えといて」
「〜〜っ」
「……少しは楽になるだろ」