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rena's room ☕ breaktime
第2章 Request1┈*★*┈唇に媚薬
「……悪い、蘭」
新人の子守に加えて、更に飛び込んだ重要案件。
完全に時間配分が狂った。
「2時間後会社に戻る」
「……!」
「マジでごめん」
正直に言うしかないから先に言った。
だけどようやく出た第一声がこれって、マジでねぇわ。
それでも
俺を見上げる蘭は、ホッとした表情に変わった。
「うんうん、充分!
1時間でも全然良い」
会社から割と近い距離の、人工的に作られた遊歩道。
桜並木の入り口で、蘭はキョロキョロと周りを見渡す。
「どこかコンビニでお酒買って、歩きながら飲もうよ」
「……は?」
「あ、ごめん。葵は仕事戻るんだからダメか」
「いや、いいけど。……そうじゃねぇだろ」
「……?なにが?」
「……」
徒歩で缶ビール片手に花見って。
どう考えてもお前のキャラじゃねぇじゃん。
どうせなら桜がよく見える店に連れていきてぇし。
好きな酒飲んで、隣りに並んで
蘭の話をずっと聞いて
……そうだ
結局俺にとって、そーいう何気ないひとときが
蘭と過ごす時間が、最高に楽しい。