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はじめてのひと。
第3章 ハプニング
ーーー大学祭の日。
私は早めに家を出て、準備のため茶道部のみんなと合流した。浴衣を着させてもらう為だ。残念ながら私は着付けが出来ない。
部長直々に着付けをしてもらい、受付の為の準備を終えた10時過ぎ。学祭が始まり、程なくして人が段々と集まり始める。
彼が来るか来ないか分からないけれど、どこかソワソワして落ち着かない。
人が行き交うホールをチラチラと確認していることを皆に気づかれないよう作業を進める。
順調だった客足も昼頃には少し落ち着き始めた。
私は手を頭の上で伸ばし、ふぅっと一息ついて辺りを見回した。
…と、遠くに岡野くんとその友達がやってくるのが見える。その途端心臓が小さく跳ねる。
…来てくれたんだ…
少し頬が緩むのを気づかれないように元に戻す。
岡野くん達が段々近付き、こちらに気づく。
彼はソフトボールの試合の後らしくユニフォーム姿にキャップを被っていた。
キャップの横からは天然パーマがはみ出し、耳上にこんもりと乗っかっているように見えた。
あの天然パーマは遠くからでもわかる存在感だ。
私はそれをみた瞬間笑いそうになったが、なんとか堪えて接客する。
「久しぶり!抹茶飲んでいきませんか~?」
と、営業スマイルで声をかける。
「あ…じゃあ、頂きます。」
どことなく、そわそわして他人行儀感が出てる。こちらも知り合って間もなく、彼をまだ掴みかねてる。
それはお互い様だ。
「ありがとうございま〜す」
彼らを奥の座敷に案内する。
少々強引にお客様になってもらった感じはあるけれど、なんだか一仕事終えた気分で妙に清々しい。あれほど落ち着かなかった自分の心も平穏を取り戻したようだ。
よしっと独り言で気合を入れ直して再び受付へ戻り呼び込みをした。
2日間の大学祭は天気にも恵まれ盛況のうちに終えることができた。
私は早めに家を出て、準備のため茶道部のみんなと合流した。浴衣を着させてもらう為だ。残念ながら私は着付けが出来ない。
部長直々に着付けをしてもらい、受付の為の準備を終えた10時過ぎ。学祭が始まり、程なくして人が段々と集まり始める。
彼が来るか来ないか分からないけれど、どこかソワソワして落ち着かない。
人が行き交うホールをチラチラと確認していることを皆に気づかれないよう作業を進める。
順調だった客足も昼頃には少し落ち着き始めた。
私は手を頭の上で伸ばし、ふぅっと一息ついて辺りを見回した。
…と、遠くに岡野くんとその友達がやってくるのが見える。その途端心臓が小さく跳ねる。
…来てくれたんだ…
少し頬が緩むのを気づかれないように元に戻す。
岡野くん達が段々近付き、こちらに気づく。
彼はソフトボールの試合の後らしくユニフォーム姿にキャップを被っていた。
キャップの横からは天然パーマがはみ出し、耳上にこんもりと乗っかっているように見えた。
あの天然パーマは遠くからでもわかる存在感だ。
私はそれをみた瞬間笑いそうになったが、なんとか堪えて接客する。
「久しぶり!抹茶飲んでいきませんか~?」
と、営業スマイルで声をかける。
「あ…じゃあ、頂きます。」
どことなく、そわそわして他人行儀感が出てる。こちらも知り合って間もなく、彼をまだ掴みかねてる。
それはお互い様だ。
「ありがとうございま〜す」
彼らを奥の座敷に案内する。
少々強引にお客様になってもらった感じはあるけれど、なんだか一仕事終えた気分で妙に清々しい。あれほど落ち着かなかった自分の心も平穏を取り戻したようだ。
よしっと独り言で気合を入れ直して再び受付へ戻り呼び込みをした。
2日間の大学祭は天気にも恵まれ盛況のうちに終えることができた。