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はじめてのひと。
第3章 ハプニング
パソコンの中の物語はどんどん進んでいく。


節のないスッと長い指がキーボードの上をあちこちと動く。


…私より綺麗な手かもー…



しばらく見とれていると、頭上から声がした。


「もう少しでボスかも、です。」


「え⁉…あ、そうなんだ!」


びっくりして岡野くんを見上げると彼は真剣な顔でパソコンを見つめている。



…でもやっぱり天パに目がいってしまうけど…笑



パソコンにはボスらしき相手が映っている。


…ボス戦の雰囲気と音楽がプレッシャーであんまり勝てなかったなぁ…


と自分の情けない思い出を思い出してみたりして…


彼はあっさりとボスを倒してしまった。



「これでクリア?」


「いや、まだもうちょっとありますね。」


彼が進める物語を見ているうちに体制が辛くなってきた。


軽く伸びをしていたら


「疲れました?もたれられる方が楽ですよね?ちょっと移動してもいいですか?」


「う、うん…」


ほんと、ゲーム熱心だなぁ…


壁際へ移動して、壁との間にクッションを挟んでくれた。


私の体が楽になったことを確認すると彼はゲームを再開する。



流れる電子音と画面をみていると段々眠くなってきた。


昨日、寝るのが遅かったしなぁ…


そう思いながらうとうとし始めてしまった。



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