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はじめてのひと。
第5章 確かめ合う想い
その会話の後、少し沈黙が訪れて…
私はベッドフレームを背もたれがわりに座っていて、斜め横に座っていた岡野くんはもぞもぞと座り直して正座になった。
何となくいつもと違う雰囲気に私も背筋が伸びる。
最初に沈黙の口火を切ったのは岡野くんだった。
「綾ちゃん…聞いていい?」
私の右手に彼が左手を重ねて来た…
自分の身に何が起きるのか理解しきれてないまま、岡野くんと視線が絡む。
真剣な表情に目を逸らせない。
心臓が一気に鼓動を速めた。
重ねられた手が震えてしまいそうだ。
「…な、何を…?」
たったこれだけを絞り出すのに必死だ…
「俺のこと…どう思ってる…?」
…どうって…どうって…私が聞きたいくらいだよ…
でも…好き…だよ、多分…だってこんなに嬉しいんだよ。朝から晩まで考えてるんだよ。この手を握り返したいんだよ…
でも…その聞き方は反則だなぁ…逆告白だよ…
「……っ…好き、です…」
そう彼に告げた私の顔は火が出そうなほど紅潮していたと思う。
自分の言葉に更に恥ずかしくなり、逃げ出したい衝動に駆られる。