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はじめてのひと。
第6章 心と距離


いつものようにお互いの近況報告のような他愛ないメールをしていた。


いつもは返信が早いのに暫く返信がなかったので不思議に思っていると…



ー早く、会いたい。ー



その文面に鼓動が早まる。


絵文字も何もないそのシンプルな一言に目が釘付けになってしまう。
千紘くんも同じように思ってくれていたことが嬉しくて勝手に緩んでしまう口元を手で隠し平静を装う。

携帯持ってニヤニヤしてる所を家族に見られたらからかわれてボロがでるのが目に見えてる。



ー私も会いたいよ!でも会って何しちゃう気~(^^)?ー



冗談混じりに探りのメールなんか送ってしまったけど…反応が楽しみでもあり、不安でもある。

女の方から言われたら構えられちゃうかな…?



けど、彼の返信は早かった。

ー繋がりたい。ー


私の心臓が暴れ出しそうなほど速くなり、顔は赤くなっていたような気がするが、家族には気づかれないよう俯いて本を読んでいる振りをしていた。


…それってSEXのことだよね…私も考えなかった訳じゃないけど怖さや不安も少しあるんだよね…

なんて言ったって私は処女だ。これまで妄想はたーくさんしてきたけれど、やはり未知のものは怖い。


ー千紘くんてばえっちー!でもちゃんと避妊はしてね(^^)ー


ーもちろん、そのつもり(^^)ー



その後は普段通りの何気無いメールに戻っていた。


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