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はじめてのひと。
第6章 心と距離
啄むようなキスの嵐の後は、彼の熱く湿った舌が唇を恐る恐るまさぐる。


その柔らかな感触に声が漏れる。

「あっ…ーーっ…」

その瞬間僅かに開いた唇に彼の舌が滑るように入ってきた。


「ん…っ⁉」

初めての感触に身体がピクッと反応する。


彼の舌は少し遠慮がちに私の歯列をゆっくりと何度もなぞる。その熱く濡れた舌は焦らすようにゆっくりと動き回る。


私は今の状況に身体が熱を持ち、全身がドクドクと拍動しているような感覚に襲われながら、息をしようと少し口を開けて空気を吸い込むと彼の舌は口内へ潜り込んできた。

「んん…っ⁉…ふ、ぁっ…」


舌をなぞられながら声が漏れ、彼の背中に回した腕に思わず力が入る。

お互いの唾液が混じり合う音が静かな部屋にいやらしく響く。彼は舌を絡めるようにして吸い付いてきた。

…キスってこんな激しいの…?千紘くんはどこでこんな技を……


…年下の彼にキスだけで優位に立たれた気がする。私も…っ…!






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