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はじめてのひと。
第7章 甘い時間
ベッド周りを見回すと本棚があり、CDや小物、教科書なんかが無造作に置かれている。

…へー、こういうのが好きなのね〜と並んでいるCDを眺める。JPOPからラウドロックまであり、ジャンルは幅広い。

その下段にはプリントや教科書が置かれていて私は懐かしい化学の教科書を手に取った。

…苦手だったなぁ。何度やっても完璧には理解出来なかった気がする…

そう思いながらもページを捲る。

あ、これこれ。必死に覚えた元素記号、化学反応式…

教科書の文章を改めて読み返してみる。…前より分かるようになった気が…しない…

「綾ちゃん何みてるの?…あぁ、教科書か。」

突然すぐ近くから彼の声がした。

その声に顔を上げると彼が私の手から教科書を取り、パラパラと捲った後パタンと閉じてベッドに腰掛ける。

「あ、懐かしいなぁって思ってみて見たけど、やっぱり難しいね。…ってレポートは?」


「せっかく一緒にいるんだから今は考えないことにした。」


「そ、そっか。」
そんなこと言われるとまた胸がざわつく。

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