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はじめてのひと。
第7章 甘い時間
髪を撫でていた大きな手は後頭部に回され、頭を支えている。

リップノイズと時折ベッドが軋む音がやけに響く。

名残惜しそうにゆっくり唇が離れると再び彼の胸に抱きしめられた。
…このまま暫くこうしていたい…そう思いながら彼に身を任せ目を閉じた。




どれくらい抱き合っていただろうか。

ふと私はシャワーを浴びてないことを思い出した。

…やっばい!臭くないかな⁉︎

「あ、の…千紘くん、私、家に戻って着替えてきたいんだけど…いい?」

「あぁ、そうだよね。」

そう言って体を離すと彼はわざわざ玄関まで見送りに来てくれた。

「行ってらっしゃい」

「行ってきます、すぐ戻るね。」

目と鼻の先の自分の部屋に戻り先ずはシャワーを浴びる。

濡れた髪をタオルで乾かしながら着替えを選び、歯磨きも済ませた。


ドライヤーをかけ、服を着替えて30分程で支度は終わった。


一応、メールをしてみる。

ー支度終わったよ!ー

すぐに返信が来る。

ー鍵閉めてないから入ってきてー

今晩も行われるであろう行為のことを考え、下着と部屋着を持って彼の元へと向かう。



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