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はじめてのひと。
第7章 甘い時間
「っあ…んんっ…」

快楽に勝手に体が仰け反り、余計に胸を突き出した格好になってしまう。

彼の胸への愛撫はなおも続く。

快感に支配されそうな頭の片隅で必死に策を考える。


…このままじゃ、どんどん進んじゃいそう…どうにかしないとっ…



「千紘くんっ…」

彼の手を胸から引き剥がし、彼と向き合うように座り直す。


突然のことに彼は驚いた表情をして私を見つめている。


「…私も…味見しても、いい…?」


彼は一瞬時間が止まったかのように動きを止め、瞬きさえもせずに目を丸くして私を見た。

…してくれる、の?

頷いた私を見て「いいよ、お好きなだけどうぞ。」とふわりと笑う。


その優しい笑みに少しの緊張と不安を覚えつつ、彼の頬に触れ、自分の唇を近づける。



…えーいっ!技術と経験はないけど知識なら多少あるっ!…

そう自分に言い聞かせた。



彼の唇を少しだけ舐めてみる。

彼は目を瞑ったまま動かない…。


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