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はじめてのひと。
第7章 甘い時間
彼の薄い形の良い唇の形をなぞるように舌を這わせ、上唇を挟み軽く吸ってみる。

ちゅぷっという音と共に唇が離れてはまた角度を変えて吸い寄せられるように彼の唇に吸いつく。

丁度良い柔らかさと弾力があり、キスしている私の方が気持ち良さに息が乱れる。


「…は、ぁっ…」
吐息とともに唇を離し、少し呼吸を整える。


まだまだ彼は表情を崩す様子はない…。
…うーん、私の技術不足かなぁ?


彼の頬に触れていた手を顎先に移し、下に軽く押し下げて唇を薄く開かせるようにして、今度は自ら舌を口内へ挿し入れる。

歯列と歯肉を舌先でぎこちなくなぞり、うっすらと開いた先に見える舌を少しずつ絡めるように舌を動かす。


彼の舌も追いかけるように動き、お互いの唾液が絡まり動きが滑らかになると夢中で口腔内を探るように愛撫した。いつの間にか自分から彼の首に腕を絡めていた。



夢中になりすぎたのか、口角からお互い交ざりあった唾液が溢れそうになったその時、自分の膝に置いていた彼の手が私の腰を引き寄せ体が密着したと同時に口内を強く吸われた。


苦しくなって体を離すとリップ音と共に唇も離れた。


恐る恐る彼の方に視線を向けると彼は無邪気な飼い犬のようににこにこと笑って私に聞いた。

「…続ける?」

昨日の今日覚えたばかりじゃないの?余裕じゃない?なんか上手くなってない?器用なのかな?…覚えがいいとか…?理系だから…?

でもっ…ピザが来るまでは負けられないんだから…っ!

「…続ける…」

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