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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第24章 24 新薬の開発
 絹枝は春衣の気持ちを知ってか知らぬか、彼女を最初から快く思えなかった。慶明が知り合いの使用人を、ここでつかうと春衣を連れてきたときに、直感的に自分の味方にはならないと思った。
 従順で気の利く春衣は、使用人の中で頭角を現し、気が付くと直接慶明の世話役になっている。絹枝にも従順な態度をとるが、なんだか角がある。一度、春衣を近くに置きすぎているのではないかと遠回しに言ったことがあるが、慶明は他のものではあまり気が利かないと絹枝の気持ちを察してはもらえなかった。
 ふと見ると、春衣は絹枝が指示する前に茶を運ばせている。自分が教壇に立っている間に……。思わず余計な妄想をしてしまう自分が嫌だった。
 明樹を抱いてあやす慶明を見ながら、いつまでも家族仲良く過ごせるようにと心から願うばかりだった。
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