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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第36章 36 出会い
 桶の中の湯で顔を洗い髪も洗った。荒い布で手足もこする。濁った湯を何度も換えて体中をこすり上げる。こざっぱりした後、荷物の袋から、唯一の美しい衣と玉の腕輪を出して身に着ける。胸に手を置き、深呼吸して男の様子を伺うと、彼は陶器をすべて出してしまったようで、窯の入り口に木の板で蓋をしている。

「あの……」

 京湖の声に、振り向いた男は彼女の姿にアッと声をあげる。月明かりが彼女を照らしている。明るいミルクチョコレート色の肌は輝き、大きな黒い瞳は潤んで光る。濡れた髪は豊かに波打っている。時間が止まったように二人は見つめ合った。先に言葉を発したのは男だった。

「あなたは……。ラージハニ様?」
「わたしを知ってるの?」
「ええ。先日陶器の買い付けの商人から噂を聞きました」
「こんなとこにも……」

 愚かにも正体を現してしまったことを後悔する。彼が自分を都に連れていけば、莫大な報奨金を得られることだろう。

「しばらくはここで匿えると思いますが……」
「え? 」

 意外な言葉に耳を疑って聞き返す。

「あの、わかってるでしょう? 匿うって……」
「あなた様のお父様の政治は素晴らしかった。皆、あなたの味方だと思います。今の大臣は……」
「そうね……」

 高潔な父と違い、欲深い一族が今政権を得ている。このままでは国民は重税に苦しむことになるだろう。

「一緒に行きますか? 陶器の検品と手入れを終えたら行商に出ます」
「行商?」
「隣の中華国にも行くつもりです」
「東国へ……」
「とにかく今日はもう寝るといいでしょう」
「ありがとう」
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