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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第46章 46 男装の乙女
 軍師見習いとして今回試験に受かったものは、星羅を含め3人だった。都の中で一番基礎の高い建物が、政が行われる朝廷でもあり王の住まいでもある『銅雀台』である。
その隣の、元々高祖の居城だった『金虎台』があり、そこに軍師省が入っている。遠くから見てもすぐにわかる高さなので、初めて訪れる星羅も一人で無事たどり着くことができた。
門番に、合格した際受け取った『軍師見習い』の札を見せる。若い門番は星羅をすこし不思議そうに見てから、馬をつなぐ厩舎と、軍師見習いの向かう学徒室を教えられる。

「ありがとう」

 練習した低めの声で星羅は頭を下げ、馬をつなぎにいった。『金虎台』は軍師省以外にも、軍事、財政、土木などを扱う省がいくつかあり身分の高いものは馬車や輿でやってくるが、見習いなどは歩きや馬だった。

「結構いっぱいね」

 馬を引いて歩いているが、空きがない。何十頭もの馬の尻を眺めて歩くことになる。

「ふう……」

 きょろきょろしていると「おい」と頭上から低い声がかかった。見上げたが逆光でよく見えず目を細めていると、その男は右斜め前を指さした。

「そこにつなぐといい」
「あ、か、かたじけない」

 星羅は男っぽく返事をして頭を下げた。頭をあげるともう男は馬と立ち去った。
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