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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第6章 6 慶明の新薬
目を細め、顔をしかめる慶明にこの薬の効能を尋ねる。
「今回の薬は心に効くものだ。暗い気持ちが明るくなるんだ」
「酒ではだめなの?」
「酒は冷めるともう気分が沈むし、体質的に飲めないと無理だろう? これは常用すると気疲れと不安症がなくなるんだ」
「へえ……」
なんだかよくわからない薬だと思っていると、慶明は鼻でふふんと笑う。
「何よ」
「晶鈴には必要にない薬ってことさ」
「まあ!」
馬鹿にされたと思い、晶鈴は膨れる。
「さて、依頼主に渡してくるか」
慶明も晶鈴同様に、医局の仕事以外での調合も引き受けることがあった。ほかの薬師も調合をするが、慶明と違い従来の伝統的な調合しか行わない。慶明は自分の調合を創り上げている。禁止された行為ではないが、危険を伴うため、まず自分で飲むことを義務付けられている。何年か前に、新薬で命を落としたものがいるようだ。
慶明はその者に対して、自分のように占ってもらえばよかったのにと思う。彼は新薬を作り出したい気持ちが湧いたとき、飲む前に晶鈴に観てもらおうと考えていた。彼女には内緒だが、最初は試すつもりで、新薬と偽り、既存の薬や、下剤などを観てもらった。薬には安全が保障され、下剤には不安な結果が出た。今では彼女の出す結果を、自分の薬の効能よりも信じているぐらいだ。
「じゃ、お礼」
「あ、ありがと」
慶明は小箱を渡す。中には月に一度、ひどい頭痛を起こす晶鈴のための鎮痛薬が入っていた。
「それではまた」
「今回の薬は心に効くものだ。暗い気持ちが明るくなるんだ」
「酒ではだめなの?」
「酒は冷めるともう気分が沈むし、体質的に飲めないと無理だろう? これは常用すると気疲れと不安症がなくなるんだ」
「へえ……」
なんだかよくわからない薬だと思っていると、慶明は鼻でふふんと笑う。
「何よ」
「晶鈴には必要にない薬ってことさ」
「まあ!」
馬鹿にされたと思い、晶鈴は膨れる。
「さて、依頼主に渡してくるか」
慶明も晶鈴同様に、医局の仕事以外での調合も引き受けることがあった。ほかの薬師も調合をするが、慶明と違い従来の伝統的な調合しか行わない。慶明は自分の調合を創り上げている。禁止された行為ではないが、危険を伴うため、まず自分で飲むことを義務付けられている。何年か前に、新薬で命を落としたものがいるようだ。
慶明はその者に対して、自分のように占ってもらえばよかったのにと思う。彼は新薬を作り出したい気持ちが湧いたとき、飲む前に晶鈴に観てもらおうと考えていた。彼女には内緒だが、最初は試すつもりで、新薬と偽り、既存の薬や、下剤などを観てもらった。薬には安全が保障され、下剤には不安な結果が出た。今では彼女の出す結果を、自分の薬の効能よりも信じているぐらいだ。
「じゃ、お礼」
「あ、ありがと」
慶明は小箱を渡す。中には月に一度、ひどい頭痛を起こす晶鈴のための鎮痛薬が入っていた。
「それではまた」