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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第71章 71 公主たち
「ねえ、陸どの。杏華公主のお加減はいかが?
「それは、その……」
王太子妃、桃華が生んだ第一公主の杏華は生まれつき身体が弱く、成人しても丈夫にならなかった。当時の医局長の見立てでは成人に達することができないと、秘かに慶明にだけ告げられていた。今、病みがちではあるが、なんとか生き長らえているのは、慶明の滋養強壮剤によるものだ。それでも、常に油断できない虚弱体質だった。流行り病などにかかってしまえば、打つ勝つことはできぬだろう。
「相変わらずってことね」
「は、はあ」
もしも杏華公主になにかあれば、申陽菜の産んだ晴菜公主が第一後継者になるのだ。そうなれば王太子妃になることは桃華がいるので叶わなくとも、王太子妃と同等になるだろう。
慶明には、申陽菜が何を願っているかもちろん分かっている。彼女は贅沢趣味なので立場が上がれば、生活水準を上げさせようとするに違いない。善政を敷いてきた曹王朝が、妃一人の贅沢で倒れることはないが、王朝の存続のために妃の散財は常々懸念されていることだ。
杏華公主が亡くなると、年功序列で決まる次期後継者は星羅になる。そのことを慶明は誰にも言うつもりはない。王太子の曹隆明も公言することはないだろう。ただ隆明が王になった時、胡晶鈴が王妃、星羅が王太子になればこの王朝の心配はないだろうと夢を見る。きっと隆明も同じ気持ちだろう。
「それは、その……」
王太子妃、桃華が生んだ第一公主の杏華は生まれつき身体が弱く、成人しても丈夫にならなかった。当時の医局長の見立てでは成人に達することができないと、秘かに慶明にだけ告げられていた。今、病みがちではあるが、なんとか生き長らえているのは、慶明の滋養強壮剤によるものだ。それでも、常に油断できない虚弱体質だった。流行り病などにかかってしまえば、打つ勝つことはできぬだろう。
「相変わらずってことね」
「は、はあ」
もしも杏華公主になにかあれば、申陽菜の産んだ晴菜公主が第一後継者になるのだ。そうなれば王太子妃になることは桃華がいるので叶わなくとも、王太子妃と同等になるだろう。
慶明には、申陽菜が何を願っているかもちろん分かっている。彼女は贅沢趣味なので立場が上がれば、生活水準を上げさせようとするに違いない。善政を敷いてきた曹王朝が、妃一人の贅沢で倒れることはないが、王朝の存続のために妃の散財は常々懸念されていることだ。
杏華公主が亡くなると、年功序列で決まる次期後継者は星羅になる。そのことを慶明は誰にも言うつもりはない。王太子の曹隆明も公言することはないだろう。ただ隆明が王になった時、胡晶鈴が王妃、星羅が王太子になればこの王朝の心配はないだろうと夢を見る。きっと隆明も同じ気持ちだろう。