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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第73章 73 婚礼
星羅のエスコートが彰浩から明樹に変わると、歓声がまた激しくなった。大きな銅鑼の音が響き、笛の音や太鼓や鐘の音が鳴り響く。周囲が見えないだろう星羅に「ゆっくりでいいから、気を付けて」と時々明樹からのいたわりの声がかけられる。
しばらく歩き階段をあがる。慣れているはずの陸家だが、今日は違う屋敷に来ているようだ。明樹の歩みが止まる。
「着いたよ」
「はい」
2人は跪き、目の前にいる陸慶明と妻の絹枝に挨拶をする。これから夫婦として支えあい、慶明と絹枝に実の親のように仕えると星羅は宣言し、そして退出した。客たちはそのまま宴会が始まり、にぎわっている。
星羅は明樹に手を引かれ、夫婦の部屋へと入った。寝台に腰かけた星羅の顔にかかる紅蓋頭を明樹はそっと取る。
「星羅……」
「明兄さま?」
ぼんやりとする明樹に星羅は首をかしげる。
「いや、あの、ちょっと驚いた」
「何をです?」
「こんなに美しいとは思ってなかった」
「えっ」
いきなり明樹は背を向ける。いつもと違う明樹の様子に星羅もなんだか、胸の鼓動が早まる。
「え、っと、これからもよろしく頼む」
「あ、はい、あの、お仕えします」
ふうっと大きく息を吐きだした明樹は、振り返り星羅に笑顔を見せる。夫婦になってから初めて男女の意識を始める二人は、ぎこちなくも優しく温かく情を交わし始めた。
しばらく歩き階段をあがる。慣れているはずの陸家だが、今日は違う屋敷に来ているようだ。明樹の歩みが止まる。
「着いたよ」
「はい」
2人は跪き、目の前にいる陸慶明と妻の絹枝に挨拶をする。これから夫婦として支えあい、慶明と絹枝に実の親のように仕えると星羅は宣言し、そして退出した。客たちはそのまま宴会が始まり、にぎわっている。
星羅は明樹に手を引かれ、夫婦の部屋へと入った。寝台に腰かけた星羅の顔にかかる紅蓋頭を明樹はそっと取る。
「星羅……」
「明兄さま?」
ぼんやりとする明樹に星羅は首をかしげる。
「いや、あの、ちょっと驚いた」
「何をです?」
「こんなに美しいとは思ってなかった」
「えっ」
いきなり明樹は背を向ける。いつもと違う明樹の様子に星羅もなんだか、胸の鼓動が早まる。
「え、っと、これからもよろしく頼む」
「あ、はい、あの、お仕えします」
ふうっと大きく息を吐きだした明樹は、振り返り星羅に笑顔を見せる。夫婦になってから初めて男女の意識を始める二人は、ぎこちなくも優しく温かく情を交わし始めた。