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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第76章 76 陰謀の中心
 しばらくすると王太子の隆明は、咳き込むことが多くなる。時々発熱することもあり、朝議は隆明の代わりに、次男の博行が参内することがあった。

 隆明の体調を、間者探らせるとわずかだが吐血しているらしい。医局長の陸慶明に詳細を尋ねると、肺を弱らせたのち、食を細くさせるということだ。そして皆が口にするもので隆明に反応を起こさせ、死に至らしめる予定らしい。

 そこで王妃の蘭加は身内を集めた花見の宴を開く。蘭加の自慢の庭は一年中花が咲き誇り、香りが高い。王は体調不良で不参加だが、隆明は周茉莉を伴ってやってきた。

「母后、本日はお招きいただきありがとうございます」
「ほほほっ。楽になさって。今日はゆっくりしていっておくれ」

 隆明は弟の博行の隣に座る。兄弟仲は特に悪くはないので酒を酌み交わし雑談を始める。2人の席順を見て、蘭加はすぐに上座は博行のものになるとほくそ笑む。酒も存分にふるまわれ、珍しい料理も多く登場する。隆明が何か食べ物を口にするとき蘭加はこっそり盗み見る。色々口に入れているように見えるが一向に変化はなかった。

「おかしい……」

 宴も終わりに近づき、もう出される食べ物はない。
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