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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第78章 78 臨月
 いよいよ臨月に入る。星羅は休職し、実家の朱家に戻ってきている。ロバの明々が星羅の顔を見て嬉しそうに嘶く。

「明々、わたしの子もあなたに乗せてもらえるかしら?」

 もう年老いた明々はよぼよぼ歩くだけで荷を乗せることは難しい。それでも星羅の言葉に頷くように「ホヒィ」と鳴く。
 ロバの明々は、都から胡晶鈴を運び、そして西の端から星羅を乗せてまた都に戻ってきた。

「あなたが一番、母とわたしのことを知っているのかしらね」

 鼻面を優しく撫でてから星羅は小屋を後にした。朱家の家のは相変わらず小さく質素だが、京湖が毎日あちこちを磨き上げ清潔にこざっぱりとさせている。
使用人を置くこともできるが、慎重な京湖は他人によって自分の情報が漏れるのを恐れた。箸一本洗ったことのなかった彼女は今では、家事のエキスパートだった。
星羅は朱家より掃除が行き届いている屋敷をまだ見たことがない。
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