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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第83章 83 血脈
宴会は短時間で終了する。合理的な郭家はだらだらと時間を過ごすくらいなら、延々と討議するほうが好ましいからだ。
帰り際に、隆明は一番後ろの星羅にそっと声を掛けた。郭家と柳家の人々はもうほとんど籠に乗って降りて行ってしまっていた。
「陛下。ご即位、おめでとうございます」
「ん。ありがとう」
「その子はそなたの子か?」
「はい」
「名は何と申す」
「徳樹にございます」
「そうか。よい名だな。抱いても良いか?」
「えっ。あの、それは、もったいないことです」
一目だけ孫を見せたいと思っただけだったので星羅は慌てて頭を下げる。実の孫ではあるが、公にできない庶民の子を尊い王に抱かせるわけにはいかない。
「よい」
「あ、玉体が」
さっと星羅から奪うように徳樹を抱き上げる。徳樹はきゃっきゃと喜びの声をあげている。
「そなたにはわかるのだな」
「陛下……」
星羅はなんだか目が潤み、とても幸せな気分になっていた。郭蒼樹の咳払いが聞こえ、隆明は徳樹を星羅に返す。
「幸せに」
隆明は、星羅か徳樹か、二人ともにか分からないがそう声を掛けた。
「行こう」
郭蒼樹に促され星羅は『銅雀台』を降りていった。
帰り際に、隆明は一番後ろの星羅にそっと声を掛けた。郭家と柳家の人々はもうほとんど籠に乗って降りて行ってしまっていた。
「陛下。ご即位、おめでとうございます」
「ん。ありがとう」
「その子はそなたの子か?」
「はい」
「名は何と申す」
「徳樹にございます」
「そうか。よい名だな。抱いても良いか?」
「えっ。あの、それは、もったいないことです」
一目だけ孫を見せたいと思っただけだったので星羅は慌てて頭を下げる。実の孫ではあるが、公にできない庶民の子を尊い王に抱かせるわけにはいかない。
「よい」
「あ、玉体が」
さっと星羅から奪うように徳樹を抱き上げる。徳樹はきゃっきゃと喜びの声をあげている。
「そなたにはわかるのだな」
「陛下……」
星羅はなんだか目が潤み、とても幸せな気分になっていた。郭蒼樹の咳払いが聞こえ、隆明は徳樹を星羅に返す。
「幸せに」
隆明は、星羅か徳樹か、二人ともにか分からないがそう声を掛けた。
「行こう」
郭蒼樹に促され星羅は『銅雀台』を降りていった。