この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第84章 84 国難
飢饉対策のためにいきなり各省は多忙を極める。軍師省でも、見習いから大軍師まで一堂に集まり策を練っている。
「今回の国難には耐えることが基本だが、状況によっては人道を外すことがある。国難に付け入る国もあるだろうから大国に援助は申出ないほうがいいだろう」
次期、大軍師と言われている郭蒼樹の父である郭嘉益が厳かに発言する。大軍師である、馬秀永は白く長いひげを撫でながら頷き聞いている。
現在の軍師省には上から下まで合わせて、7名所属している。大軍師の馬秀永を筆頭に、軍師の郭嘉益、教官の孫公弘、助手の郭蒼樹と朱星羅、そして新たに試験に合格した助手見習いになる柳紅美と郭文立だ。柳紅美は郭蒼樹の従妹で、郭文立は郭蒼樹の弟になる。星羅は改めて、郭家は軍師の家系なのだと感心する。
「まだ飢饉が他国に知れ渡らぬうちにもっと食物を輸入しておくべきでしょう」
郭蒼樹の発言に、星羅も同意し、さらに付け加える。
「西国にもまだ国難は知られていません。今のうちに華夏国の絹織物を香辛料に変え、もっと北部の大蒙古国から寒さに耐える種芋を譲ってもらったほうが良いと思います」
星羅の発言に、柳紅美が口を挟む。
「種芋はわかるけど、香辛料なんかどうするの? 腹の足しにならないわよ」
「あ、それは、その……」
「紅美、途中で口を挟むな」
郭蒼樹に制され、柳紅美はつんと横を向く。大軍師の馬秀永がほほっと笑う。
「よいよい。軍師省のものは家族も同然。黙って考えるのも良いが、複数の人間が集まって発言すれば、もっと大きなところから新たに想像がなされるのでな。さて星雷、続きを述べよ」
「今回の国難には耐えることが基本だが、状況によっては人道を外すことがある。国難に付け入る国もあるだろうから大国に援助は申出ないほうがいいだろう」
次期、大軍師と言われている郭蒼樹の父である郭嘉益が厳かに発言する。大軍師である、馬秀永は白く長いひげを撫でながら頷き聞いている。
現在の軍師省には上から下まで合わせて、7名所属している。大軍師の馬秀永を筆頭に、軍師の郭嘉益、教官の孫公弘、助手の郭蒼樹と朱星羅、そして新たに試験に合格した助手見習いになる柳紅美と郭文立だ。柳紅美は郭蒼樹の従妹で、郭文立は郭蒼樹の弟になる。星羅は改めて、郭家は軍師の家系なのだと感心する。
「まだ飢饉が他国に知れ渡らぬうちにもっと食物を輸入しておくべきでしょう」
郭蒼樹の発言に、星羅も同意し、さらに付け加える。
「西国にもまだ国難は知られていません。今のうちに華夏国の絹織物を香辛料に変え、もっと北部の大蒙古国から寒さに耐える種芋を譲ってもらったほうが良いと思います」
星羅の発言に、柳紅美が口を挟む。
「種芋はわかるけど、香辛料なんかどうするの? 腹の足しにならないわよ」
「あ、それは、その……」
「紅美、途中で口を挟むな」
郭蒼樹に制され、柳紅美はつんと横を向く。大軍師の馬秀永がほほっと笑う。
「よいよい。軍師省のものは家族も同然。黙って考えるのも良いが、複数の人間が集まって発言すれば、もっと大きなところから新たに想像がなされるのでな。さて星雷、続きを述べよ」