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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第84章 84 国難
 星羅は一呼吸おいて説明する。

「確かに香辛料には腹を膨らせることはできません。しかし様々な薬効があり、心身ともに良い影響がでるのです」
「薬効? どこの情報?」

 柳紅美は厳しく突っ込んでくる。

「わたしは両親が西国人なので香辛料の効果は身をもって感じてますし、医局長も香辛料を定期的にとることで免疫などが上がるとおっしゃってました」
「ほうほう。医局長殿のお墨付きか」

 これから飢饉によって、餓死者が出るのは必然になり、国は葬式で溢れ返すだろう。身体は生きていても、心が死んでしまうかもしれない。星羅は国民が国難によって、生きる気力がなくなってしまうことを恐れた。困難がやってきても、あきらめず前向きな気力があれば乗り越えられると信じている。

「西国に食物を望むときっと国難に付け入ります。しかし西国とて、わが国の絹織物や銀は欲しいはずです。香辛料との引き換えであれば、内情を探られずに済むと思います」

 郭蒼樹も星羅を推して発言する。しばらく活発な会議が行われたのち、まとめてから今日は解散となった。
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