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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第84章 84 国難
 星羅が立ち去った後、柳紅美は郭文立を伴って軍師省から出てきた。柳紅美は星羅のように男装することなく、軍師省の水色の着物を娘仕立てにして着ている。郭家の親戚とあって華美な装いはしていないが、髪にはかんざしを挿してある。
 郭文立は郭家らしい長身に、知性的ですっきりとした目鼻立ちを持っている。

「星雷さんはやはり兄貴が一目置くだけあるよな」

 のんきものの郭文立の言葉に柳紅美はイライラし始める。

「たまたまよ。親が西国人だからじゃないの。ほんと、胡椒臭い女」
「えー。そうかなあ」
「そうなの!」

 郭蒼樹を追いかけて柳紅美は軍師省に入ってきた。元々、柳紅美は女教師を目指していた。いづれは郭蒼樹に嫁ぐつもりだった。両親に話せば、まとめてくれる縁談だろう。
しかし郭蒼樹が軍師省に入ってから、朱星雷の話ばかりするようになった。軍師省の同窓ということでてっきり男だと思っていたが、女だった。
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