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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第86章 86 行方不明
「ありがとう、星羅さん。私はできることを貴晶にするわ」
晴れやかな笑顔を絹枝は見せた。池のほとりの東屋で、久しぶりにゆっくり過ごす二人のもとへ、慌てた様子でバタバタと若い兵士がやってくる。
「夫人!」
息が上がっている兵士にとりあえず水を飲ませ、星羅は一体何があったのかと尋ねる。
「こ、こちらに竹簡が」
胸元から竹簡をとりだし、星羅に渡す。兵士が呼吸を整えている間、星羅と絹枝は竹簡に目を通す。
「はあぁっ」
内容を確認してしゃがみ込んだ絹枝を星羅は支えた。星羅も倒れてしまいたいぐらいだった。中には明樹が3日前に行方不明になったと書いてある。赴任先まで早馬を飛ばしても10日はかかる。つまり明樹がいなくなってもう2週間になるのだ。
落ち着いた兵士は口をぬぐいながら説明する。
「陸殿は先週、任期が終わる予定だったのですが、ある時ふっつりといなくなってしまったんです。最後に門番が国を出たのを見たらしいですが」
「国を出るって? 西国に向かったってこと?」
机に突っ伏して頭を抱えている絹枝の背中を撫でながら、星羅は震える声で聞いた。
晴れやかな笑顔を絹枝は見せた。池のほとりの東屋で、久しぶりにゆっくり過ごす二人のもとへ、慌てた様子でバタバタと若い兵士がやってくる。
「夫人!」
息が上がっている兵士にとりあえず水を飲ませ、星羅は一体何があったのかと尋ねる。
「こ、こちらに竹簡が」
胸元から竹簡をとりだし、星羅に渡す。兵士が呼吸を整えている間、星羅と絹枝は竹簡に目を通す。
「はあぁっ」
内容を確認してしゃがみ込んだ絹枝を星羅は支えた。星羅も倒れてしまいたいぐらいだった。中には明樹が3日前に行方不明になったと書いてある。赴任先まで早馬を飛ばしても10日はかかる。つまり明樹がいなくなってもう2週間になるのだ。
落ち着いた兵士は口をぬぐいながら説明する。
「陸殿は先週、任期が終わる予定だったのですが、ある時ふっつりといなくなってしまったんです。最後に門番が国を出たのを見たらしいですが」
「国を出るって? 西国に向かったってこと?」
机に突っ伏して頭を抱えている絹枝の背中を撫でながら、星羅は震える声で聞いた。