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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第86章 86 行方不明
「西国というか、門のそばに宿屋があるんです。陸殿は最近、そこへ通っていたらしくて」
「宿屋? 宿屋に何があるの?」
「あの、その」
「はっきり言って」
「宿屋でもありますが、妓楼でして……」
その話を聞いて、絹枝が身体を起こす。
「まさか! 明樹さんがそんなところに行くわけないわ!」
「お義母上、どうか、落ち着いて」
星羅は興奮して立ち上がりかけた絹枝を腰掛けさせる。
「は、はい。陸殿はそのようなところで遊ぶ方ではありません。し、しかし……」
星羅にも明樹が妓楼で女遊びすることなど信じられなかった。
「その店を捜索したの?」
「捜索というか、西国の領土になりますので、店の者に聞くくらいしか……」
「店の者はなんて?」
「立ち寄ったが、そのあとは知らないと」
「そう……」
母の胡晶鈴につづいて、夫の陸明樹まで西国で行方不明になってしまった。
「ありがとう。帰っていいわ」
「はっ! 失礼します」
若い兵士は拱手して下がった。ちょうどその時、貴晶がやってきた。利発そうな瞳と広い額をみせ「徳樹が起きました」と星羅に告げる。
「宿屋? 宿屋に何があるの?」
「あの、その」
「はっきり言って」
「宿屋でもありますが、妓楼でして……」
その話を聞いて、絹枝が身体を起こす。
「まさか! 明樹さんがそんなところに行くわけないわ!」
「お義母上、どうか、落ち着いて」
星羅は興奮して立ち上がりかけた絹枝を腰掛けさせる。
「は、はい。陸殿はそのようなところで遊ぶ方ではありません。し、しかし……」
星羅にも明樹が妓楼で女遊びすることなど信じられなかった。
「その店を捜索したの?」
「捜索というか、西国の領土になりますので、店の者に聞くくらいしか……」
「店の者はなんて?」
「立ち寄ったが、そのあとは知らないと」
「そう……」
母の胡晶鈴につづいて、夫の陸明樹まで西国で行方不明になってしまった。
「ありがとう。帰っていいわ」
「はっ! 失礼します」
若い兵士は拱手して下がった。ちょうどその時、貴晶がやってきた。利発そうな瞳と広い額をみせ「徳樹が起きました」と星羅に告げる。