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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第91章 91 帰国
目を覚ました星羅は、身体も頭も重くここがどこか分からず、目だけで周囲を見る。見慣れた建築様式と落ち着いた色合いにここが『美麻那』でないと気づく。
「ここは?」
どこだろうと思っていると、部屋に入ってきた許仲典が声をあげる。
「起きただか!」
「仲典さん?」
起き上がろうとする星羅を許仲典はそっと押し戻し「まだ寝てるだよ」と寝具を掛ける。
「みんなを呼んでくるだ」
許仲典が部屋を出てから、すぐに数人部屋になだれ込んできた。陸慶明と妻の絹枝と朱彰浩と兄の京樹だった。
「とうさまに兄さま。お義父たち……。かあさまは?」
一番いるであろう朱京湖がいない。
「何がどうなって? 夫は? 明兄さまはどこ?」
『美麻那』で監禁されている間、もう薬は必要にないと麻薬の使用は止められていたが、暴れられては困るということで、食事を拒む星羅に身体を弛緩させる香を焚かれていた。力が入らず、明樹を救って逃げ出すことも叶わず、星羅は時間だけが過ぎていくことを感じていた。
「ここは?」
どこだろうと思っていると、部屋に入ってきた許仲典が声をあげる。
「起きただか!」
「仲典さん?」
起き上がろうとする星羅を許仲典はそっと押し戻し「まだ寝てるだよ」と寝具を掛ける。
「みんなを呼んでくるだ」
許仲典が部屋を出てから、すぐに数人部屋になだれ込んできた。陸慶明と妻の絹枝と朱彰浩と兄の京樹だった。
「とうさまに兄さま。お義父たち……。かあさまは?」
一番いるであろう朱京湖がいない。
「何がどうなって? 夫は? 明兄さまはどこ?」
『美麻那』で監禁されている間、もう薬は必要にないと麻薬の使用は止められていたが、暴れられては困るということで、食事を拒む星羅に身体を弛緩させる香を焚かれていた。力が入らず、明樹を救って逃げ出すことも叶わず、星羅は時間だけが過ぎていくことを感じていた。