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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第103章 103 占い師
「おや? あんなところに誰か」

 店も民家も建っていない空き地に机を出して座っている者がいる。行燈の火がちらちらしていて、その人物を明るくしたり暗くしたりする。
 近づいてみると、街頭の占い師のようだった。

「そういえば、観てもらったことないな」

 都のあちこちにも、街頭で占っているものがいる。太極府からのスカウトを待っている占い師も多いが、陳老師の眼鏡にかなうものはなかった。
 ふらっと近づき、頭から深くローブをかぶった占い師に声を掛ける。

「観てもらえる?」

 占い師はうつむいたまま頷き「何を観ましょう」と答えた。声で女人だとわかるくらいで、立っている星羅には座って俯く占い師の顔は見えない。

「え、と。母のことを」
「どちらの母を?」
「え? どちら?」

 占い師はこくりと頷き「お二人いるでしょう」と静かに答える。いきなり当てられて星羅は驚いた。

「あ、ああ、では、その、育ての母を」
「わかりました」

 占い師は袖口から紙の束をとり出しかき混ぜ、まとめてから何枚か机に並べる。色々な絵の札が並べられた。星羅にわかるのは、異国の民が描かれていることと、太陽、楽器を拭く人物などだった。

「あなたのお母さまはとてもお元気です。愛しい人との再会も果たしているでしょう。近々、手紙が届くかもしれません」
「そうですか。よかった」

 少しだけ心が温まり、ほっとする。
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