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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第12章 12 失われた能力
「また、来年には2人嫁がれますからそれまでの辛抱ですよ」
「側室か……」
「ええ、きっと兄さまと気の合う人がいますわ」
「そなたが入内できれば良いのに……」
「兄さま……」

 辛そうな隆明をみると、晶鈴もそばにいてあげたいと願うが彼女が側室に選ばれることはありえないだろう。

「そろそろ空が明るくなってきました」

 気が付くと夜が明け周囲を明るく照らしている。

「また来る」
「……」

 だめだとも待っているとも言えず、晶鈴は隆明の後姿をしばらく眺め立ち尽くした。

 最初は会話を交わし、季節を感じる二人だった。しかし会える時間は限られ、いつか会えなくなるかもしれない。そういった不安は隆明に、晶鈴を我が物にするという欲望を目覚めさせてしまった。
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