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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第112章 112 求婚
若い娘時分に蒼樹に抱きしめられたことを思い出した。あの頃は、父だと知らずに曹隆明に恋をしていて、蒼樹の好意に反発した。今の星羅はやはり気落ちしているのだろうか。抵抗する気にもなれず、むしろ蒼樹の体温や抱きしめる力強さに心地よさを感じている。
「明樹殿を想ったままでいい。俺のところに来てほしい」
「あの人を想ったまま……」
明樹を忘れなくて良いのだと思うと、気が軽くなる。
「その気持ちは嬉しいけれど、未婚の若い女人のほうが良いのではないかしら。あなたのご両親だってきっと」
「俺はお前が良いのだ。いいと返事をしろ」
「蒼樹……」
以前のように拒まない星羅をもう一度力を込めて抱きしめる。星羅は目を閉じて蒼樹の唇が重なってくるのを感じた。
「明樹殿を想ったままでいい。俺のところに来てほしい」
「あの人を想ったまま……」
明樹を忘れなくて良いのだと思うと、気が軽くなる。
「その気持ちは嬉しいけれど、未婚の若い女人のほうが良いのではないかしら。あなたのご両親だってきっと」
「俺はお前が良いのだ。いいと返事をしろ」
「蒼樹……」
以前のように拒まない星羅をもう一度力を込めて抱きしめる。星羅は目を閉じて蒼樹の唇が重なってくるのを感じた。