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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第123章 123 刺客
 異母弟は本来は正室の息子であり、王位継承の資格が十分にある。ムアン王は側室の息子なのだ。覧山国ではそもそも女人の地位が低いせいで、正室の息子であろうが、年齢が優先される。

 異母弟カムデはその事も気に入らないが、好戦的な性格なので華夏国と友好関係にあろうとすることにも大反対だった。悪いことに王妃のマハは元々カムデの恋人で、ムアンの妻に選ばれたときにますます恨みを募らせたのだ。

「身内のことに巻き込んでしまった」
「お二人の処遇はどうなさるのですか?」

 星羅の問いに、ムアンはまた複雑な表情を見せる。

「さすがに国家転覆罪にあたるので……」
「そうですか……」

 クーデターを起こして生き長らえることはやはり無理だ。

「マハがカムデの恋人であることを知っていれば妻に迎えなかったものを」

 マハは有力な大臣の娘で本人の意思なく王に嫁がされる。マハの父親の大臣も、まさか自分の娘とカムデが恋人関係であったことを知らなかった。権力を固めるためでもなく、単純に年頃の娘を輿入れさせた。
 ムカデはムアンを亡き者にして、マハを取り戻し王になるつもりだった。

「王妃は廃して、二人は一緒に弔ってやろうと思う……」

 悲しげでしかし慈愛に満ちた瞳を見せ、ムアンは立ち上がった。星羅をちらりと見て「まるで覧山国民のようだ」と笑んだ。星羅も微笑み返し部屋から出ていくムアンを見送った。
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