この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第14章 14 都を後にして
「それと、春衣」
「はい」

 春衣はさっと縄を手に持ち、慶明に渡す。縄の先には荷台を引いたロバがいた。

「これも持っていけ」
「宿場町には昼過ぎには着くだろうから、のんびり歩こうかと思ったんだけど」
「その身体でか……」

 身重の身体を心配して慶明が用意したのだった。

「邪魔になったら売れ」
「ありがと……」

 慶明の心遣いを素直に受け取ることにした。気が付くともう周囲は明るく、門は完全に開き、外から、内から、行き来するものが数名いた。

「そろそろ、行くわ」
「ああ……。困ったらすぐ便りをよこせ」
「ええ。ありがとう。春衣さよなら」
「晶鈴さま……。お元気で」
「またね」

 明るい笑顔をみせ、手を振りながら晶鈴は門の外へと出ていった。

「新しい日が始まるって感覚は何年振りかしら?」

 都には、陳賢路に連れられてやってきた。今度は、一人で好きなところへ向かうのだ。

「あ、一人ではなかったわ」

 まだ見ぬ子と、供のロバに笑んで遠くの青い空を見つめた。
/628ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ