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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第14章 14 都を後にして
「それと、春衣」
「はい」
春衣はさっと縄を手に持ち、慶明に渡す。縄の先には荷台を引いたロバがいた。
「これも持っていけ」
「宿場町には昼過ぎには着くだろうから、のんびり歩こうかと思ったんだけど」
「その身体でか……」
身重の身体を心配して慶明が用意したのだった。
「邪魔になったら売れ」
「ありがと……」
慶明の心遣いを素直に受け取ることにした。気が付くともう周囲は明るく、門は完全に開き、外から、内から、行き来するものが数名いた。
「そろそろ、行くわ」
「ああ……。困ったらすぐ便りをよこせ」
「ええ。ありがとう。春衣さよなら」
「晶鈴さま……。お元気で」
「またね」
明るい笑顔をみせ、手を振りながら晶鈴は門の外へと出ていった。
「新しい日が始まるって感覚は何年振りかしら?」
都には、陳賢路に連れられてやってきた。今度は、一人で好きなところへ向かうのだ。
「あ、一人ではなかったわ」
まだ見ぬ子と、供のロバに笑んで遠くの青い空を見つめた。
「はい」
春衣はさっと縄を手に持ち、慶明に渡す。縄の先には荷台を引いたロバがいた。
「これも持っていけ」
「宿場町には昼過ぎには着くだろうから、のんびり歩こうかと思ったんだけど」
「その身体でか……」
身重の身体を心配して慶明が用意したのだった。
「邪魔になったら売れ」
「ありがと……」
慶明の心遣いを素直に受け取ることにした。気が付くともう周囲は明るく、門は完全に開き、外から、内から、行き来するものが数名いた。
「そろそろ、行くわ」
「ああ……。困ったらすぐ便りをよこせ」
「ええ。ありがとう。春衣さよなら」
「晶鈴さま……。お元気で」
「またね」
明るい笑顔をみせ、手を振りながら晶鈴は門の外へと出ていった。
「新しい日が始まるって感覚は何年振りかしら?」
都には、陳賢路に連れられてやってきた。今度は、一人で好きなところへ向かうのだ。
「あ、一人ではなかったわ」
まだ見ぬ子と、供のロバに笑んで遠くの青い空を見つめた。