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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第16章 16 進路変更
「まあ、でもちゃんと銀貨で払うよ。取引はうまくいったし、儲かったからさ」
「あら、いいのに」
「いや。払うもの渋ると後で損するんだ。これは商人の鉄則だよ」
「なるほどね。確かに自分から出ていくものは良いものも悪いものも7倍になって返ってくるものね」
晶鈴も男の前途を思い、素直に銀貨を受け取った。
「ついでに飯も食おう。ごちそうさせてくれ」
「そんなにしてもらわなくてもいいのよ? 困ってるわけじゃないし」
「まあまあ。これは単に一人より二人のほうが楽しいだろうからってことだ。それともあんたは男より食うのかい?」
「そんなことはないけど」
「じゃあ、いい。さあ酒でも飲もう」
「あ、酒は飲めないのよ」
「ん? そうか。じゃ俺だけ」
平坦な腹をさすって晶鈴は酒を辞退する。そもそも酒を飲んだことはなかったし、飲みたいと思ったことはなかった。子もいることだし、酒には一生縁がないかもしれない。
食堂もだんだんと客が増えにぎわっている。改めて見回すと雑多だが明るく活気に満ちていると感じる。静かだった太極府とは対照的だ。しかしこの生気に満ちた混沌が嫌いではなかった。
「あら、いいのに」
「いや。払うもの渋ると後で損するんだ。これは商人の鉄則だよ」
「なるほどね。確かに自分から出ていくものは良いものも悪いものも7倍になって返ってくるものね」
晶鈴も男の前途を思い、素直に銀貨を受け取った。
「ついでに飯も食おう。ごちそうさせてくれ」
「そんなにしてもらわなくてもいいのよ? 困ってるわけじゃないし」
「まあまあ。これは単に一人より二人のほうが楽しいだろうからってことだ。それともあんたは男より食うのかい?」
「そんなことはないけど」
「じゃあ、いい。さあ酒でも飲もう」
「あ、酒は飲めないのよ」
「ん? そうか。じゃ俺だけ」
平坦な腹をさすって晶鈴は酒を辞退する。そもそも酒を飲んだことはなかったし、飲みたいと思ったことはなかった。子もいることだし、酒には一生縁がないかもしれない。
食堂もだんだんと客が増えにぎわっている。改めて見回すと雑多だが明るく活気に満ちていると感じる。静かだった太極府とは対照的だ。しかしこの生気に満ちた混沌が嫌いではなかった。