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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第31章 ラストシーンは眩い光に艶やかに抱かれるように


ワンピースの下は、ノーパンノーブラ、
生まれたままの姿、
それだけでタツヤが作り出した照明に包まれて、
愉悦の表情を浮かべていた。

ミドリ先輩って本当にスタイルがいいのよね。
おととい、一緒にシャワーを浴びたことを思い出した。
体脂肪が全くないような、それでいて
筋肉質でもない、理想的なカラダは
女の綾子からしても羨ましいの一言で
見とれてしまうくらいだった。

そのミドリ先輩が、
衆目に晒されながら、でも
その好奇の目を弾き飛ばすような、
触れてはいけない、聖性すら感じられる表情を浮かべていた。

タツヤの作る照明に、無防備に
感情を委ねている。
光の中に浮かんでいるような透明さもあった。

「聖女」という言葉が
誰の心にも浮かんでいたに違いない。
綾子は、ミケランジェロの彫刻を思い出した。
人間が持つ、普遍的な浄らかさがある。

固唾を呑む、という言葉はこの場面のためにあるだろう。
十数秒のことだったかもしれないけれど
永遠のことに感じられる長さだった。

そして暗転。

本当に終わったのだろうか、
訝しみながら、パラパラと拍手が起き始める。
そしてそれは、万雷の拍手となって、
会場を包んだ。

次に明かりがついた時、
出演者を残して、そこには
ミドリはいなかった。

まるでミドリが天に昇って
この世から消えてしまったかのような幸福な喪失感。
それを埋めるように
拍手は鳴り止まなかった。
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