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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第32章 落ち着かない打ち上げ


「あ〜ちゃん、お疲れ〜。
すごいよかったよ、照明もきれいだった」
「アタシは、ちょっと手伝っただけだから。
健一部長の脚本と演出がよかったんだと思います」

綾子は、以前、健一にみんなの前で
叱られたことを思い出し、
殊勝な面持ちで、持ち上げるように話をした。

「だよね〜。健一部長の演出って、すごいなあって、
初めて観たけど感動しちゃった」
「カオルちゃん、ほとんど来てなかったもんね」
ちょっと嫌味のつもりで言ったけれど、
意に介する様子はなかった。

「最後のミドリ先輩のところもきれいだったなあ。
健一部長の女性への愛を感じました。
オンナの魅力を見抜く力って言うんですか、
もう、好きになっちゃいます」
綾子はカオルの明け透けな感じに驚きながらも
最後のシーンは、ミドリ先輩とタツヤ先輩が作ったものだよ
とは健一の手前言えなかった。

「そお?褒められると嬉しいなあ」
健一が、そのシーンをまるで自分が作ったかのように
受け答えしているのもちょっとびっくりした。
まあ、これが大人の世渡りなのね。

「そおだ、キミたちも、新人同士、
何か企画やってみたら。
ちょっとワタル〜」

なんだろう?
企画って、アタシもでられるのかな?
それだったら嬉しいな。
やっぱり、ね、見られる方になりたいよ、、、

呼ばれた男子学生、
今回も少し朗読で出演していた2年生。
いい声をしていると綾子も感じていた。
学年は一個上でも、確か同い年だったはずだ。
背も高くて、でもちょっとカッコつけたがりかな。

「あれ、あっただろ、
ドライブしながら景色にナレーション入れてく企画、
この子達でやってみたら?」
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