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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第33章 サイレント・スイートルーム
3

シュポッ

シャンパンが抜かれる音が
二人だけの部屋に透明に響いた。

チン、
グラスが寂しげに鳴る。

綾子は目に涙を浮かべたまま、
ぐいっと一気に飲み干す。

「こんなのずるいです、
ミドリ先輩、、、」

ミドリが贈ってくれたカスミソウが
綾子にとってはまるで
白いワンピースに包まれた
ミドリのように映っていた。

「打ち上げなんか、
出てる場合じゃなかったですよね

タツヤは返事もできずに、
でも、グラスを一気に空けた。

二人のためにミドリが用意してくれていた
シャンパンは、
辛口で、キリッとしていた。

部屋に入った、
綾子はメッセージカードを
手にしたまま
床にへたり込んでしまった。

何も声が出ない。

近寄ってきた
タツヤが綾子が手にしている
カードを取り、
目で読んだ。

そっと肩に手をやる。

「さよならって、
どういうことですか?
ねえ、タツヤ先輩は、
こんなことになるって
知ってたんですか?」

タツヤには上手く言葉を見つけられないまま
シャンパンを継ぎ足した。

綾子は、
公演が終わった後、
照明室に来て、
抱きしめてくれたミドリの
温もりを思い出していた。

ラストシーンの
圧倒的な存在感も目に焼きついたままだ。

でも
ミドリはもういなかった。
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