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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第55章 盗撮されるオンナたち




「ミドリちゃん、健一に、早く謝っといたほうがいいよ。
これからはあいつの時代だからさ、
機嫌損ねたら、大変だよ。
これ健一のマンションの住所」


健一に部長を引き継ぐことになっている先輩大学生に、
稽古が終わった後、紙切れを手渡された。



「あの子、貪欲だからさ、
ホントに、役、取っちゃうつもりだよ、
そんなのイヤでしょ。
ミドリちゃん知らないかもだけど、
健一の元カノだし」


放送研究部は健一がいる大学にあったけれど、
近くの女子大生も部員として受け入れていた。
そんな部員から、女優が選ばれてもいた。
その先輩女優は、ミドリとは違う女子大から来ていた。
まさか、健一の元カノだなんて、知らなかった。


でも自分のために書かれた役を取られるのは
たまらなくイヤだった。
女優として、というよりオンナとしてだったかもしれない。
ミドリはいつの間にか健一に惹かれていたし、
健一の書く言葉に酔いしれてもいた。
健一と一緒にいれば、
過去のことも忘れて輝けるかもしれない。
そう思うようにもなっていた。


その夜、教えてもらったマンションに行ったけれど
健一は不在だった。
終電も無くなりそうで帰ろうとしていた時に
酔っているのだろうか、
はしゃいだ女の声が聞こえてきた。


「健一く〜ん、ねえ〜今晩、
泊まっていっていいでしょ〜?」
ミドリから役を奪い取った女子大生の声に
間違いなかった。綾子の一個上の学年だ、
思わず影に隠れてしまった。
元カノって本当だったんだ。


「ダメだって、何度も言ってるだろ。
お前とは、もうそういうんじゃないから。
さんざん、グチは聞いてやっただろ、
それで十分だろ。帰れって」


「そんな、冷たくしないでって〜。
健一くんに演技見てもらえて
嬉しかったんだからぁ。

ねえ、また、私のために、
ベッドで愛の言葉を、囁いてよ〜。
夜の演技指導もしてよ〜。

私とヤりたくなったから、
あの役、くれたんでしょ。
元サヤに戻りたいってことでしょ」
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