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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第2章 清らかな出会いは淫らのはじまり


ミドリ先輩、声も姿も綺麗。
ミドリ先輩のために書かれた物語なのね。
「だから違うって、何度言ったらわかるんだ」
健一の激しい演出の声が飛ぶが、
ミドリは負けず嫌いのようで、それに食らいついていた。
卒業したら、やっぱり女子アナになるのよね。
あれくらい強くならなくっちゃね。
羨ましいな。

さっき代わりにコピーを取りに行ってくれた
タツヤも、今や稽古にのめり込んでいる。
放送研究部にある独特の序列のある空気感に、
途中入部のせいか、一人だけ浮いている。
厳しさが漂う空気の中、
ひとりだけ笑顔で楽しそうだ。

そうね、あたしも楽しもうっと。

綾子は、その時、
自分の中に恋心が生まれたことに気づいていなかった。

この歳になるまで、
男と手をつないだことも、ましてやキスをしたこともなかった。
でも
泣いて、笑って、いろんな時を経て、
やがて男を愛するようになる。
その時は、すぐ近くまで来ていた。
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