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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第57章 闇のシナリオ・凶犯者
4
自分から男を好きになるなんて、
大学に入ってから一度もなかった。
もちろん自分から告白することもなかった。
でもいつしか健一は、ミドリにとって
意識する存在になっていた。
作品作りに真摯になっている姿、
そして自分のために言葉を紡ぎ出してくれる才能、
時折見せる少年のような笑顔、
ミドリは、この人となら新しい人生を歩めるに
違いないと確信を持った。
自分の忌まわしい過去を上書きして欲しかった。
つまり、男として好きになってしまったのだ。
もちろんそれは秘めた恋で、
稽古で顔を合わせても胸の中にしまっていた。
「ミドリ先輩、最近、すっごくキラキラしてるよね。
演技に開眼したのかな?」
後輩たちにそう見られているのも
嬉しかった。
演技だけではない。
恋にも開眼していたのだ。
稽古がない日も会いたかったけれど、
そんなわけにもいかず、
寂しく思ってしまうくらいだった。
「健一さん、好き」
夜寝る前に健一に抱かれることを
想像して、一人慰めてしまう夜もあった。
あの担任教師から離れることができて以来、
自慰行為も自重していた。
数々の変態的な行為がフラッシュバックしてきて、
どうしても思い出してしまう。
その心配もなくなったようで、
ミドリは、恋するオンナとなって、
肌艶も良くなり、輝いていた。
自分の恋焦がれる思いを伝えたいけれど
公演を成功させることが最優先だ。
こんなことでもし演出家とギクシャクしてしまったら
女優としても失格だ。
だからミドリは、その熱い思いを抑え込んだまま、
初日を迎えることになった。
自分から男を好きになるなんて、
大学に入ってから一度もなかった。
もちろん自分から告白することもなかった。
でもいつしか健一は、ミドリにとって
意識する存在になっていた。
作品作りに真摯になっている姿、
そして自分のために言葉を紡ぎ出してくれる才能、
時折見せる少年のような笑顔、
ミドリは、この人となら新しい人生を歩めるに
違いないと確信を持った。
自分の忌まわしい過去を上書きして欲しかった。
つまり、男として好きになってしまったのだ。
もちろんそれは秘めた恋で、
稽古で顔を合わせても胸の中にしまっていた。
「ミドリ先輩、最近、すっごくキラキラしてるよね。
演技に開眼したのかな?」
後輩たちにそう見られているのも
嬉しかった。
演技だけではない。
恋にも開眼していたのだ。
稽古がない日も会いたかったけれど、
そんなわけにもいかず、
寂しく思ってしまうくらいだった。
「健一さん、好き」
夜寝る前に健一に抱かれることを
想像して、一人慰めてしまう夜もあった。
あの担任教師から離れることができて以来、
自慰行為も自重していた。
数々の変態的な行為がフラッシュバックしてきて、
どうしても思い出してしまう。
その心配もなくなったようで、
ミドリは、恋するオンナとなって、
肌艶も良くなり、輝いていた。
自分の恋焦がれる思いを伝えたいけれど
公演を成功させることが最優先だ。
こんなことでもし演出家とギクシャクしてしまったら
女優としても失格だ。
だからミドリは、その熱い思いを抑え込んだまま、
初日を迎えることになった。