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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第57章 闇のシナリオ・凶犯者




「成功、おめでとう〜」


公演初日の夜遅く、
健一の部屋で祝杯があげられていた。


「まあ、これからだよ、ヒロ」


健一の相手は、ヒロフミだった。
部長として公演の全体を見渡す立場で、
満員となった会場のカーテンコールでの
熱気に成功を確信していた。


「やっぱ、ケンはさ、才能あるよな。
羨ましいよ」


二人が喜んでいたのは公演の成功だけではない。
闇のシナリオの新たなページが
捲られたことに祝杯をあげていたのだ。


「あのミドリちゃんが、こんな、
ラブレター、寄越すなんてさ、
最高すぎじゃね?」


初日の幕がはねた後、
舞台裏で軽く打ち上げをしている時に
ミドリが近寄ってきて、

「健一さんのおかげで、
私、なんとかここまでこれました。
ありがとうございます」

そう、深くお辞儀をされ、
手紙を手渡されたのだ。
そのラブレターは今、
関係ないヒロフミの手元にあり、
ニヤニヤと読み上げている。


<<健一さん、
主演女優として私は、
この公演に込められた思い、希望、愛情、
私、全部、受け止めて観客に伝えていきます。


そして、一人の女として、
健一さんが、好き、
健一さんを、愛してしまった。
私の全部を、健一さんのものにしてほしいの>>


「ミドリちゃんを、こんな恋するオンナに
させちゃうなんてさ、
ケンのシナリオ以上じゃね?」


「ヒロのおかげだよ、
あの家に来た夜、
この作品は俺からミドリへの
ラブレターってこと、盗み聞いてた
はずだからさ。
彼女なりの返事ってことだよな」


「その布石が、ケンのすごいところだって。
あのお堅いミドリちゃんに
ラブレター書かせちゃうなんてさ。
で、これからどうするんだ?
あ、その前にさ、
いろいろ撮ってんだろ、
それ見せろよ」
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