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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第58章 闇の上映会・レモンスカッシュの片思い




「健一さん、まだ、起きてるんですか?」


シャワーを浴び終えると、
健一の部屋の明かりが見え、
ドアの隙間から声をかける。


「ちょっと、思いついたことがあって。
いいアイディアだよ、
明日までにまとめとくから、
また意見聞かせて。
あ、ベッドサイドに飲み物置いといたから
よかったら飲んでよ」


「そんな、私のことなんて気にしないでください。
じゃあ、お先に、おやすみなさい。
健一さんも早く寝てくださいね」
「ああ、おやすみ。疲れてるみたいだから
ゆっくりね」


まるで同棲しているような男と女の自然な会話に
ミドリ自身も驚いた。
男性と一緒にいてこんなにリラックスできるように
なるなんて、思わなかった。


部屋に戻るとベッドサイドにデカンタに入った
レモンスカッシュが置いてある。
キンキンに冷えている。


その横には、レモンそのものも1個、
「足りなかったら使って」
そうメモも置かれていた。
レモンを手にすると、とても冷たく
頬に当てるひんやりと心地よかった。


カラカラカラ、コップに移すと
氷の音も心地よかった。
喉が渇いていたので一気に飲み干した。


冷たくって、ちょっと苦くて、でも好き。


さらにもう一杯、
ごくごくと喉を鳴らしながら飲んだ。
喉の渇きは癒せたけれど、
カラダは火照ったままだ。


ちょっとくらい、いいよね


ミドリは独り言を言いながら、
入り口に向かい、そして鍵をかけた。
いつもはそんなことしないけれど、
今夜はその方が安心できる。
そして明かりを消して横になった。


薄暗くなった天井を見上げていると、
今日の撮影のことを思い出す。
健一の言葉を発するのは心地よかった。
ビデオカメラのレンズ越しに見える
健一の目が、やさしかった。


「ぁぁっ、健一、さん」


自然と声が出てしまった。
その手はトレーナーの下に潜り込んでいた。
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