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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第10章 よそよそしさも好きのうち
2
リハーサルは順調に終わり、早めの解散。
明日は会場が使えないのでオフ。
健一とミドリが何か重い空気になっているのが見える。
リハーサル中は何もなかったから、プライベートなことかな、
綾子は、そう思って眺めていた。
健一が、怖い顔をして行ってしまった。
片付けているタツヤに話しかけた。
「あの二人、大丈夫ですかね、明後日本番なのに」
「痴話喧嘩とかじゃないの、リハーサルはうまくいったし」
タツヤの答えが素っ気なかった。
タツヤは、その理由に気づいていた。
ミドリが健一に別れを告げたに違いない。
引っ越しはすでに終わっているはずだ。
女子大にも最低限しか来ないだろう。
放送研究部には明後日が最後かもしれない。
あのストーカーかつての担任教師から逃れるために。
でもそれを綾子に伝えるのは難しかった。
「タツヤセンパ〜い、本屋さん行きません?」
「え?これから?」
「さっきのミドリ先輩、どっちの本も欲しいって言ってたでしょ。
買いに行きましょうよ」
綾子にしてみたら、勇気がいる誘いだった。
だって今まで、一度も男を誘ったことはない。
「いいよ」
あっさりOKしてくれたのが嬉しかった。
「あ、でも、ちょっとだけ」
ホールの鍵はタツヤが預かっていた。
「ねえ、あそこ、立ってみてよ」
この光景、前もあった。
「ちょっと背伸びしてみて、、そう、そんな感じ」
ホールと照明室、距離はあるけれど、誰もいないから声がよく通る。
「台詞言いながらさ、前に、そう」
綾子は、ミドリの台詞を大体覚えていた。
「なんだ、暗記してるの?」
「いつも聴いてたら覚えちゃいました」
「すごいなあ、綾子さんもいい役者になるよ」
「なれればいいんですけどね。
タツヤ先輩が台本書いたら出してくださいね〜」
「僕のなんか、採用されるかな、頑張ってみるよ」
「あ、でも綾子さんをイメージしたもの書いてるよ」
「本当ですか!」
「見せるほどのものじゃないけどね」
「ミドリ先輩、すごく綺麗でしたね。
うっとりしちゃったあ。
やっぱり、照明変えて良かったですね。
タツヤ先輩のセンス、すごくいいです。
尊敬しちゃいます」
「綾子ちゃんもキレイだよ」
「本当ですか〜、嬉しい〜」
「ま、僕の照明のおかげだけどね」
「もう〜」
そう言いながら、綾子は気づいていた。
綾子さん、が、綾子ちゃん、になった。
これって、、、
リハーサルは順調に終わり、早めの解散。
明日は会場が使えないのでオフ。
健一とミドリが何か重い空気になっているのが見える。
リハーサル中は何もなかったから、プライベートなことかな、
綾子は、そう思って眺めていた。
健一が、怖い顔をして行ってしまった。
片付けているタツヤに話しかけた。
「あの二人、大丈夫ですかね、明後日本番なのに」
「痴話喧嘩とかじゃないの、リハーサルはうまくいったし」
タツヤの答えが素っ気なかった。
タツヤは、その理由に気づいていた。
ミドリが健一に別れを告げたに違いない。
引っ越しはすでに終わっているはずだ。
女子大にも最低限しか来ないだろう。
放送研究部には明後日が最後かもしれない。
あのストーカーかつての担任教師から逃れるために。
でもそれを綾子に伝えるのは難しかった。
「タツヤセンパ〜い、本屋さん行きません?」
「え?これから?」
「さっきのミドリ先輩、どっちの本も欲しいって言ってたでしょ。
買いに行きましょうよ」
綾子にしてみたら、勇気がいる誘いだった。
だって今まで、一度も男を誘ったことはない。
「いいよ」
あっさりOKしてくれたのが嬉しかった。
「あ、でも、ちょっとだけ」
ホールの鍵はタツヤが預かっていた。
「ねえ、あそこ、立ってみてよ」
この光景、前もあった。
「ちょっと背伸びしてみて、、そう、そんな感じ」
ホールと照明室、距離はあるけれど、誰もいないから声がよく通る。
「台詞言いながらさ、前に、そう」
綾子は、ミドリの台詞を大体覚えていた。
「なんだ、暗記してるの?」
「いつも聴いてたら覚えちゃいました」
「すごいなあ、綾子さんもいい役者になるよ」
「なれればいいんですけどね。
タツヤ先輩が台本書いたら出してくださいね〜」
「僕のなんか、採用されるかな、頑張ってみるよ」
「あ、でも綾子さんをイメージしたもの書いてるよ」
「本当ですか!」
「見せるほどのものじゃないけどね」
「ミドリ先輩、すごく綺麗でしたね。
うっとりしちゃったあ。
やっぱり、照明変えて良かったですね。
タツヤ先輩のセンス、すごくいいです。
尊敬しちゃいます」
「綾子ちゃんもキレイだよ」
「本当ですか〜、嬉しい〜」
「ま、僕の照明のおかげだけどね」
「もう〜」
そう言いながら、綾子は気づいていた。
綾子さん、が、綾子ちゃん、になった。
これって、、、