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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第60章 悪夢の再来・淫落のシナリオ
3



10日間ほどの公演の間も、
新しく始まった恋にミドリの心は満たされ、
また、演技も充実していた。
口コミで評判が伝わり立ち見まで出て、
追加公演まで決まるほどだった。
女子高生だったルカもほぼ全公演を見て、
ミドリの姿に見とれていた。


キャスト・スタッフ、もちろんみんな学生だから
その間も授業があり、それは
ミドリも同じだった。
ミドリにとって慌ただしくも、
輝くような人生最良の日々だった。


健一に初めて抱かれた次の日は、
自分の部屋に帰ることができずに
昨夜の同じ格好をして、
しかも健一と一緒にホールに現れてしまった。


その姿を見て、ひそひそと、
さざ波のように二人が付き合いだしたという
噂が出演者・スタッフにも伝わっていく。


演出家と主演女優、誰も文句のつけようのない、
その組み合わせに、当人には誰も聞けないけれど、
二人だけで話している場面には、
みんなの注目が自然と集まっていた。


恋に溺れた二人がそれで公演を
台無しにしてしまおうものなら
批判も出そうなものだが、
演出家としての健一は
ミドリに対して今まで以上に厳しく、
ミドリもまたストイックに
その期待に応え演技に邁進して、
日々、その妖艶さを増していった。


健一の作品を見事なまでに
具現化させたのは、
ミドリの演技力と魅力によるものだと
誰もが一致するところだった。


ミドリにとっては、
かけがえのない公私にわたるパートナー
を得たという確信があった。


公演期間中、何度か
健一の部屋に泊まることも
あったけれど、
それもまたミドリに充実した
歓喜の瞬間をもたらしてくれた。


健一は、焦らずに
じっくりと長い前戯で、
ミドリの体の隅々まで愛してくれる。


いつも部屋が明るいのは恥ずかしかったけれど、
「いつも輝いているミドリを見たいんだよ。
スポットライトを浴びているのと同じだろ」
そう言われると、慣れてもきた。
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