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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第60章 悪夢の再来・淫落のシナリオ
16



健一に初めて抱かれた次の日の夜公演、
ミドリは全能感に包まれて、
自らの役を楽しんで演じた。
満員の観客の目を釘付けにして、
物語に引き込める手応えがあった。


その本人の自信通り、
舞台に女神が降り立ったように
観客を魅了した。


その後、ミドリを救ってくれることになる
当時は女子高生のルカもその中の一人だった。
ミドリの存在に、心射抜かれるようにして、
夢中で拍手をし続けていた。


繰り返されるカーテンコールで
ミドリは何度も呼び出され、
一人スポットライトを浴びながら、
観客を見渡して、
一人一人の目を見るようにお辞儀をした。


ミドリ自身、そもそもは女子アナを目指して
この放送研究部に入ったていた。
既にアナウンサーになっている大学の先輩から
「舞台、経験しておくといいわよ、
度胸がつくから」
そうアドバイスされたのがきっかけだったけれど、
今や、病みつきなりそうだった。



客席の奥では
愛する恋人、健一が微笑みながら
見つめてくれていた。
それも嬉しかった。


二人で一緒に作った舞台、
私の一生の思い出になる舞台、
昨夜、健一さんが私を抱いてくれて、
私は、新しい一歩を踏み出したの、
それにふさわしい、今夜の舞台だったわ。


ミドリは頬に涙が伝うのがわかった。
温かな喜びの涙だった。
でも、その一方で、
全身が得も言われぬ快感に
包まれているのも感じていた。


これが舞台の魅力なのかしら、
主演女優の醍醐味は
この快感を味わうことにあるのかしら。


スポットライトの強い光の熱さも
あったかもしれない。
カラダが火照るようだった。


やだっ、私のカラダ、
昂奮してるの?


一度舞台袖に戻った、ミドリは、
自分のカラダの明らかな
変化に気づいた。
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