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第69章 最終章　闇のシナリオのヒロイン誕生への道

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そもそも綾子が撮影に手伝いに
行くこと自体、
タツヤは面白く思っていなかったのだ。


自分が関係していない作品に
綾子が借り出されることは、
正直、嬉しくなかった。
しかも、役者ではなくて、
誰でも代わりができるような
裏方としてだった。


「どうしても行かなきゃいけないの？
3日も会えないなんてさ、
ボク、イヤだな」
「そんなぁ、
3日なんてすぐだよぉ。
それに舞台の裏方はしたけど、
映像はまだだから、
勉強になると思って」


綾子のその言葉を
タツヤは真に受けていなかった。
綾子が裏方なんて、もう
やりたくないと、
愚痴をこぼしていたのは知ってる。


それが撮影の主役にイケメンくんが
なるとわかってから、変わったのだ。
誰だって会いたいに違いない。
でも自分以外の男に
綾子が興味を示すのは、
嬉しくなかった。


いくら舞台でも人気絶頂で
テレビにもで始めたイケメンくんを
近くで見てみたいとはいえ、
何か恋焦がれるような目で
イケメンくんのことを語るのに
明らかに嫉妬していた。


それに、綾子とカオル以外、
役者もスタッフもみんな
男というのも気になっていた。
いくら撮影とはいえ、
何が起こるかわからない。


その中でも、
健一の存在が、タツヤには
厄介に思えた。


ちょっと前まではミドリ先輩と
付き合っていたはずなのに、
今は綾子の親友のカオルに
乗り換えているなんて、、、
許せない思いもあった。