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第69章 最終章　闇のシナリオのヒロイン誕生への道

でも、それもすべて、
綾子をモノにするためだ。
健一のオンナを見る勘が、
綾子の潜在的なポテンシャルを
見抜いていた。


まずはカオルをいいオンナに
仕上げることで、
綾子の嫉妬を煽ろうとしていた。


実際、それは成功し、
カオルは、今日もその格好でイケメンくんの
舞台を観に来て、
客席にいるときから、
周囲の注目を集めていた。


綾子はまるで引き立て役のように
地味に横にいて、
付き合う相手で
こんなにも違うんだと、
差を見せつけられた思いに駆られていた。


そして、
イケメンくんに会うという口実ではあったけれど、
最終的には恋人のタツヤが喜ぶ顔を
思い浮かべて買ったワンピースを、
タツヤはちゃんと見ることもなく、
脱がせようとしてきた。


綾子が家に来た時から、
タツヤの目はギラギラしていて、
きっと脱がせることしか
考えていなかったのだろう。


さっき楽屋で会った、
イケメンくんが、
ワンピースを
「可愛いね。綾子ちゃんに、
すごく似合っているよ」
そう褒めてくれたスマートさと
比べてしまうと、
野蛮で下品な感じすらあった。


最初の頃は、
「綾子さん、紫陽花みたい」
そんなことを言ってくれたのに、
最近は、ホントに、
エッチなことばかりだ。
裸にすることしか考えていない。


もしかして、最初から
エッチ目的で付き合い始めたの？
なんて思うくらいに、
会う時はすぐに綾子のカラダを求めてきた。