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第69章 最終章　闇のシナリオのヒロイン誕生への道

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「キミは本当の自分に
気づいていないだけなんだ」
「だって、アタシには彼氏が、、、」
「本当の愛は、勇気を持って
一歩踏み出したものにだけ
訪れるんだよ」


綾子は、健一が書いたセリフを
ベッドの上で
少し目が冴えながら、
復唱していた。


撮影はもう明日から始まるのだ。
自分がカオルから
主役の座を奪える機会は
訪れないだろう。
でも、主役の乙女に
なりきってブツブツと
セリフを口に出した。


カオルの練習相手に
なっている間に、
すっかりセリフを覚えてしまっていたのだ。


「ほら、ボクの目を
見てごらん。
ボクの瞳の中に
その勇者の姿が映っているだろ」
「それって、、、」
「キミのことだよ、、、綾子。
キミには勇者になる資格がある」


いつしか自分が主役になっていた。
もちろん相手は、
あのイケメンくんだ。


、、、アタシ、、、
たっちゃんに会って、
初めてを捧げて、
愛されたけど、
それは、本当の愛じゃなかった、、、


アタシ、、、
本当にアタシを愛してくれる人に
出会ってしまったの、、、
だから神様、アタシに力を与えて、、、


ベッドの下の段では
マキがもう寝てしまっているのだろう。
スヤスヤと寝息が聞こえてくる。


、、、ねえ、、、
勇気をもっと踏み出すから、、、
、、、アタシを
その瞳で見つめながら
、、、愛して、、、


綾子は、その
シナリオの世界に
没頭してしているうちに、
カラダが熱く火照っているのに
気づいていた。