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第70章 エピローグ　クランク淫　主艶女優綾子

４



昨夜、隣の部屋から
聞こえてきたのは、、、


最初は、今日の撮影用の
セリフをイケメンくんとカオルちゃんんで
確認しているのだと思っていた。
綾子も知ったセリフが
薄い壁の向こうから聞こえてきた。


でも、それが、
だんだん、
様子が違ってきたのだ。


「私には、健一さんが、、、」


カオルちゃんの拒むような
声が聞こえていたのだけれど、


「ボクはね、いつもこうやって
相手役とコミュニケーションを
深めてから撮影に臨むんだよ。


そんなこと、気にしてたら
いい女優になんか、
なれないぞ。


内緒だけどさ、
今度公開になる映画だけどさ、
⚪︎×ちゃんと共演しててさ、
彼女にだって、
ボクが演技指導してやったからさ」


、、、えっ、、、
⚪︎×ちゃんって、、、


綾子もよく知っている
今人気急上昇中の清純派グループの
一員のアイドルだった。
歌だけじゃなくって、
演技もするんだ、、、


しかもその演技指導、
してあげてるの、、、？


聞き耳を立てている綾子だって
驚くくらいだから、
イケメンくんを目の前にした
カオルが、
そのまま身を委ねてしまうのは
時間の問題だった。


もちろん、それは、
カオルと、
そして、聞いてるであろう綾子までも
騙すためのでまかせだった。


「そうそう、
いいね〜、
カオルちゃん、
可愛いよ」
「そんなぁ、、、
ダメですぅ。
ぁあん、、、
隣のあ〜ちゃんにも
聞こえちゃうからぁ」


拒んでいるはずの
カオルの声のトーンが
高くなったのが綾子にもわかった。