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第70章 エピローグ　クランク淫　主艶女優綾子

３５



これは、夢なのだろうか？
それとも、
何かの映画のワンシーンの
練習でもしてるのかしら？
とても現実とは思えない。
虚構の世界にでも
一気に引き込まれてしまったかのようだ。


「綾子ちゃんに
彼氏がいるのは、
わかっているからさ。
でも、ボクの気持ちは
伝えておきたくって」


イケメンくんが
まっすぐに見続けたままだ。
その澄んだ目に、
嘘なないように思えた。


「ほ、本気なんですか？」
「ボクが、嘘を言っているように
思える？」


できるならば、
嘘であって欲しかった。
冗談だよ〜とか
次の映画のセリフの練習していたんだよ〜とか
笑い飛ばして欲しいくらいだ。


、、、だって、、、
これが本当だったら、、、
アタシも、、、
好きになっちゃう、、、


こんな展開になるとは、
綾子も予想ができるわけなかった。


撮影中のシナリオに描かれている
主人公と、同じようなことが
今の自分の身に起きているのだ。


しかもその相手は、
いま綾子が、恋人のタツヤのことなんて
忘れてしまうくらいに、
気になっているイケメンくんだ。
その彼から、告白されてしまっている。


戸惑いで隠しながらも
喜びが湧き上がってくるのを
感じていた。


「でもさ、
彼氏から綾子ちゃんを
奪うなんてできないから。


だってラブラブなんだよね〜。
カオルちゃんから聞いたよ、
しょっちゅう、朝帰りしてるって」